日中首脳会談について

今回の日中首脳会談は、日本にとってはチャンスの多い会談だったのだろうと思う。
中国がオリンピックを開催することにより、中国のチベットをはじめとした人権問題、環境問題、食料問題、違法コピー問題、台湾問題など、中国に対する多くの懸念が世界中に発信されている。これまで伝えられていなかった実態が世界中に広がりつつある。オリンピックを成功させて、国内外に力を示したいと思っている中国共産党としては、現在大きなピンチに陥っている。
国際的なイメージを早期に回復しなければいけないという焦りとが中国にはある。
この現状は日本にとっての懸案材料である、毒ギョーザ問題、東シナ海油田問題について一切の妥協をしない中国に対して大きな譲歩を引き出すことができる絶好の機会であったはずだ。
これまでの日中関係を振り返れば、中華思想に基づき、親である中国に対し子供である日本が譲歩するということがベースとなっていたのではないだろうか。交渉力も上手であったのだろう。
しかし、今回は完全に違ったはずだ。チベット問題については、戦後平和国家を掲げる日本こそが最も圧力をかけるべき立場であったはずだ。(日頃人権を叫んでいる日本国内の団体はなぜか無視を決め込んでいるようだが...)これとて国際社会における日本の立ち位置確立として国益につながる重要なテーマであったろう。
結果はというと、日本が得たものはパンダを有償で貸してもらう権をもらっただけだ。
対して中国としては、チベット問題に対しての対話の日本からの評価という、今回の会談の課題をクリアーした。それに加え、天皇陛下の開会式出席などが決まれば万々歳だろう。
日本にとっての国益とは何だろう。中国を喜ばせること、怒らせないことがすべてに優先する国益なのか。
朝食会において日本の政治家で唯一苦言を呈した安倍さんにKYとか言っているマスコミは、中国の放送局なのか。日本国民的、世界的には、何も言えない福田さん、小沢さんがKYだと思うのが自然なのでは?
今回の会談が、日本の国益を国民ひとりひとりが見つめるいい機会になればと願いたい。