「死神の精度」を読んで

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

<ネタばれあり>
私の愛読ブログにて、絶賛されており、映画化も決定!ということで期待して読んだ。
ん〜どうなんだろう。良かったことは良かったが...確かに死神の設定は面白いし、ストーリーもよく練られていると思う。死神を通して、作者の人間観のようなものを表現している点も面白い。しかし、そもそもの死神の設定に違和感を感じ、それが解消されることなく物語りが終わってしまったような気がした。この小説では、死神は人間の死に対して「可」「不可」を出す役割を担っているが、どの死神も人間、死に対してほとんど興味を示さないとなっている。唯一興味を示すのは音楽のみ。実際、不可を示したのは音楽絡みのもののみ。それはよしとしよう。しかし、その主人公である死神は、人間にも死にも興味がないといいながら、それは意識的にそう装っているようで、やたら人間的なのである。しかも死神もサラリーマンであり、死神の世界も人間の世界に似ている。まぁそれだから面白いのだろうか...私は、そこに無理を感じた。
わたしはかわっているので、そのせいかな。
娯楽小説という点では、あっという間に読めたのでOKなのでしょうね。