マスコミによる最近の値上げ報道について

最近テレビを見ていると、原油高などによる生活物資の値上げ、公共料金の値上げ、ガソリンの暫定税率復活による値上げ、後期高齢者医療制度による75歳以上の方への保険料徴収...など生活費の上昇報道が目立つ。
ただ、その報道姿勢には、ちょっと疑問に思う部分がある。
全ての報道関係とはいわないまでも、多くの論調は政府を批判し、間違いを指摘することが正義であるような態度に映る。
例えば、後期高齢者医療制度についての街頭インタビューでは、「わたしたちに死ねと言うことか」「日本は姥捨て山か」などきわめて感情的な意見を放映していた。詳細についての報道をせずに、いかにダメであるかという印象を垂れ流している。これでは、何でも反対を表明する野党と同様ではないか。
物価の上昇についてもだ。確かに、物価が上昇すれば、国民の生活は厳しくなる。ただ、考えてみてほしい。日本は市場経済であるため、モノが売れなくなれば、企業の収益が減り、結果収入、税収も減りさらに厳しくなる。市場にお金が回らなければ縮小していくしかない。消費を控えることは、実は自分の首を絞めているに等しい。
つい数年前までマスコミはデフレでの状況を嘆いていたではないか。企業が正規雇用を減らしていることも問題となっていたが、企業間の過度な価格競争にその原因を求めていたように思う。
今回値上げされるものの中には、これまで低い価格水準のまま据え置かれていた商品も含まれる。例えば、マクドナルドなどどうだろう。6月から100円マックが20%アップして120円になるとのことである。20%アップといえば、猛烈な値上げに感じるが、つい10年くらい前には、現在100円で売られているチーズバーガーは200円以上していたし、コーヒーも180円から200円くらいしていた。この価格は、20年前でも同様だ。今の時代に、牛肉やチーズを使ったハンバーガーが100円で買えていることに異常性を感じるのが普通の考えというものではないだろうか。しかしながら、テレビのニュースでの街頭インタビューで出ていた意見は「今までお世話になっていただけに痛い」「この値上げはちょっと厳しい」といった若者ばかりだった。そして、その番組はご丁寧にも、つい最近、マクドナルドは地域によって値上げを実施したばかりだったのにと、報道していた。ここまでくれば、感情論というしかない。
あまりにも子供っぽい。
消費者の消費行動に最も重要なのは、気分である。景気がいいということになれば消費は拡大する。その逆に不景気だという報道は、消費マインドを著しく低下させる。
そういった意味でも、もっと大局的な事実に基づいた報道を行うことが必要ではないか。
国のために政府を批判するという大儀が、いつのまにか「国のため」の部分が消え、政府を批判するために情報を操作し、その結果国を陥れるということにならないようにしていただきたい。
言論の自由が、悪用されている気がしてならない今日この頃だ。

(追記)マクドナルド、100円マック据え置き価格です。訂正します。すみません。