「おもてなしの経営学」を読んで

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)

「おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由」中島聡著
アップルがソニーを超えたという理由について興味があり、読んでみた。
この本は3章で構成されているのだが、タイトルになっている点は第1章に書かれている。
理由として、「あの時代のソニー特有の問題としていちばん注目すべきなのは、出井陣営と久夛良木陣営の対立に象徴される「スーツ族とギーク族の軋轢」ではないかと考えている。」となっている。なるほど。ただ、タイトルにするくらいなら、もう少し掘り下げて教えてほしかった。
ソニーipodを作れなかった理由に、ソニー自身がレコードレーベルを持っているというジレンマ、斬新な商品を開発するには大きすぎる会社の規模、事業部を跨ぐことの難しさなどをなぜ乗り越えなかったか。この本では、これらの側面からの考察を割愛しているが、これらの要因の個別の考察なしには語れないのではないだろうか。
ipodの発明したアップルは素晴らしい。だからといって、それがつくれなかったソニーがダメという理由には必ずしも結びつかないように思う。それは結果論だ。
第2章、第3章はとても興味深く、楽しく読ませていただいた。
特に第3章の対談は、とても面白く、あっという間に読んでしまった。
まぁ、タイトルのテーマとしては全くの消化不良だが、パソコン創世記の話しなどとても興味深く楽しめた分良しというところだろうか。